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wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

創作怪談の世界

SCP財団やbackroomといった創作怪談の存在を知ったとき、主にその内容よりもそのようなコミュニティがこの時代に成り立っていることのほうに非常に驚いた。今はネットで誰でも自分の好きなように創作物を全世界に向けて発表することができるから一般人がプロと同じくらいの知名度と公衆の目にさらされる機会を持つことができるぶん、自己満足的に「嫌なら見るな」とか「自分がいいと思うもの以外作らないから指図するな」とか受け手を無視してことを運ぶことも可能であるし、そのほうが楽だから、あのように投票制で評価されその場にそぐうものかどうか他者に判断を委ねるようなつくりになっていること自体昔のネットみたいで珍しいと感じたから。どんな掲示板にも暗黙のローカルルール(改行しない、句読点つけない)があってそれに従うのが当たり前だったあの頃を思い出させるようだ。

それと、あれが作り手にならない人たちにも大いに関心を寄せられているコンテンツであることにはかなり希望を感じる。こういうブログは同じくブログをやっている人にしか基本的には読んでもらえないし、本も新聞も読む人しか読まない。素人が発表してちゃんと注目されているものは動画系コンテンツか同人誌ぐらいのものだ。しかし創作怪談は昔のコピペにあった怖い話(きさらぎ駅、八尺様のようなもの)と同じような感じで書き手も読み手も一定数以上確保されていて、普段怪談サイトを見ない人でも知っているくらい知名度のある話もある。動画もできないし絵もできない人が文章で表現する場として、創作怪談の世界は貴重だと思う。

 

ここまで書いて、本当に世間的に言われるほど本を読んでいないものなのかかなり気になってきた。本屋に行くと売れているという本や話題の本、出版社が決める読んでほしい本ランキングといった特集が組まれている。特集が組まれるということは本を読む人、本に注目している人がそれなりに一定数以上いるということだ。本が売れてないからといって誰も本を読んでないというのは、CDが昔ほど売れてないというだけで音楽が人気ないと言ってるくらい暴論な気がしてくる。まさか怪談の本を読んでいるのか?