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wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

腸詰め

シャウエッセンシャウエッセンと意識して購入し食った際、ウィンナーごときがこんなにおいしいものか驚いた。

子どもの頃読んだティーンエイジ文学(翻訳もの)にはソーセージのことを「腸詰め」と呼ぶことが多く、腸詰め=ソーセージであるとわかったときからちっちゃいウィンナーまでグロく思えてきてしばらくその類の肉加工品を食えなくなることがあった。

しかし、シャウエッセンは別格でうまいらしいという噂を、お酒を飲む年齢になってから頻繁に耳にするようになった。私はシャウエッセンどころか普通のウィンナーのことでさえほとんど何も知らなかったが、シャウエッセンを"あの"シャウエッセンと知った上で口にしてみると、とても良いつまみであるように感じた。ウィンナーと比べることはできないまでも、なんかシャウエッセンだからこその良さがあるような気がした。

ところが今偶然コンビニで購入した10円カルパスを食ったら、シャウエッセンと同じ味がし、別に350円のシャウエッセンじゃなくてもいいように思え、それら「腸詰め」の類を現金と交換して酒で流しこむことについて何も感じなくなってしまった。10円カルパスは私のシャウエッセンの味わいを失わせ、シャウエッセンは私の「腸詰め」への畏怖を失わせ、酒は私を肥らせた。若さはこうして失われていくものだ。