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wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

うわーたのしー

「謎解き検定」という、なぞなぞを1時間で解くオンライン試験がある。漢検のように級が与えられるがかなり本格的で、受験費用が3000円もする。過去問は1000円くらいでできる。ためしに「無料お試し」を10問やってみたら8割できたので、2級レベルの正答率とのことで楽しそうだ。試験は自分でもできそうな気がした瞬間に楽しむ気持ちが出てくるもので、謎解きも同じだ。

しかし、実際にやってみて半分もできなかったらどうしよう。勉強したことない超アホな小学生がいきなり東北大に行きたいと言い出すようなものだ。厄介なのは、東大や京大ではなく「東北大」であるところ。漢検英検TOEICで高得点を叩き出すのは無理でも「謎解き検定」ならいけるんじゃないかみたいな舐めくさった心が露呈してしまう。

舐めくさったやつは、つい最近私の前にも現れた。バスを待っているときにバス停にある地名の由来を知人と予想し合っていたら、そこになぜかコカ・コーラのロング缶をぶらさげたサングラスの男が参入し「んなの、だいたい昔このへんが山だったか海だったかのどっちかじゃね?キホン(笑)」とものしりな顔をしてきた。バスに乗るのにコカ・コーラのロング缶なのもサングラスなのも意味がわからないし、山はともかく海がたかが数百年で大移動するわけもないので、もう本当に不快だったのにずっとコカ・コーラの中身を揺らしながらこっちに質問してきて、舐めてるなあと思った。人だけでなく、世の中のあらゆるものを。

舐めくさっている人は、世間的にも嫌われている。「言葉は悪いけど」という接頭語のあとには、だいたい「舐めてる」系の愚痴が続くことが多いことからも明らかだ。それでも舐めくさるという精神がここまで普及しているのはなぜなのか。やはり、「謎解き検定」みたいな楽しくてややマイナーでちょっとかっこいいものがいちばん挑戦するのにちょうど良く、ラクして手に入りそうに見えるからだろう。ブログの媒体だってみんなからあんまり知られていないやや使い勝手ワル目の新しいものが好まれがちだ。しかし、そう飄々としているものほど実際自分のものにすることは難しい。町蔵も「簡単に物があって簡単に手に入らない、手に入ったところでお前のものにはなりえない」と歌っているのだから。

世の中、実際easyだ。しかしこれはイージーリスニングと同じ意味だと勘違いしてはならない。客をもてなすためのゆったりとしたソファは体を優しく包み込んではくれても、客がそれを所有することはできない。このeasyさからいかに目を覚まし、ゴチゴチのイバラの道をわたり、狭か門に入るかっちゅうことが大切(てぇせっ)ちゃね。たのしか~