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wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

エムエム

M&M'Sには、日本の駄菓子でもよくある名前のついてないキャラクターがいる。

M&M'Sの公式HPにこんなおもしろいものがあり、そのひとつひとつに見所がある。名前がついていないキャラクターの中でここまで詳細なプロフィールとキャラクターづけ、そしてステレオタイプでコミカルな設定を持つものはほかにない。今どき、ブルー氏のようにナンパ師で女好きの自信家男や、グリーン婦人のようなモテモテ自信家女をストレートにキャラ化することはなかなかないだろう。また、オレンジ氏とレッド氏はアメリカのスクールにおけるナードとアメフト部のroleをそれぞれ担っている。イエロー氏がシンプソンズでいうラルフやサウスパークのバターズ枠かと思いきや、こちらはあんまり明確には方針が定められていないらしい。とにかくアメリカのスクールを表現しているのはわかる。カートゥーン作品の誰かしらが必ず当てはまるように作られていそうだ。

そんなエムエムのキャラは、アメリカのエムエム社の手によって無期限活動休止になってしまったようだ。上に示したようなステレオタイプなキャラ設定を昨今のポリコレ的事情を鑑みて不適切と判断したようだ。それも、誰かが問題視するよりも前にエムエム社自身が自主的に活休の判断を下したようで、本国でも「エムエム社はどうしてもキャラを中性的にしないと気がすまないようだ」と疑問視する声があがっている。後役は生身の人間の俳優が担うようだ。私ならそんなの耐えられない。名無しキャラがいないエムエムはエムエムではない、という理不尽な批判が俳優の身に振りかかることだろう、とんだ災難だ。

そんなこととは無関係に、私が好きなのはもちろんMr.Pだ。

オッサンなのにこんな愛くるしい小鳥ちゃんのような目をしていて、しかもいつも向かって右上のほうを健気に見つめている。それはまるで太陽の光を浴びて私たちの手元にプリングルスが渡ることを夢見る少女のような、無垢な希望に満ちた表情ではないか。そして、彼のデザインにはゆらぎがある。髪の有無、毛髪の色、眉毛の有無。しかしこれらのゆらぎがあってもなお、私たちがMr.PをMr.Pではない者として取り違えることはない。このつややかな瞳とヒゲの配置がそっくりなため、全体を見た時に与えられる印象の差がほぼないからだ。よって、これはティッシュとティシューの表記ゆれと同じくらい問題にならないし、いずれのスタイルもそれぞれMr.Pのアイデンティティを保った姿として受け入れられるのである。

みんなはどっちのPが好き?もちろんどっちもPであることは確かだが、どっちでもいいとは思ってほしくない。そういう気持ちあるでしょう。だから、どっち?