昨今のキャンセルカルチャー的な、何か問題が起こるとすぐさま廃止の決断を下すような物の考え方が蔓延っている現状に辟易したことがあるが、実際キャンセルしたほうが楽で無駄なエネルギーを使わなくて済むので合理的と言えるのかもしれない。
ただし、そのキャンセルのやり方には十分注意すべきだろう。もう廃止の方向で決まっていたとしても、明日すぐ廃止するんじゃなくてちょっとずつ離れていくとか、問題のある部分以外のところに光を当ててみたりとか。そうやって関係性をほぐし、徐々に薄くしていくのが正しいキャンセルの仕方だ。
でもほぐしは自然消滅するカップルみたいだし、〆のない鍋と同じような後味の悪さがある。しかし、うどん入れてきれいにすることと鍋の火自体を消してしまうことは異なる。うどんはツユに対する敬意があるが、そのままコンロから下げて洗ってしまう行為には敬意がない。いただきますとごちそうさまをちゃんと言うかどうかの違いなので、儀式にすぎないのだが、そういう信仰心が欠けがちな人には魅力を感じないのもまた事実ですわな。
