亡くなった母方の祖父母がいた。現実ではまだ若いうちにガンで亡くなった祖父母がおそらく90歳くらいで、すごい認知症になっていた。特に祖父は自分をバックトゥザフューチャーのドクだと思い込んでいて、ハカセっぽいヅラを常にかぶって家中の壁をハタキで叩いて掃除していた。私もクイックルワイパーを持っていたので手伝ったら、絶対落ちないと思っていた黒汚れが一瞬で落ちた。祖父はハタキを振り回すばかりで全く掃除できていなかった。祖母は、私の両親とタロットカードでトランプ遊びをしていた。どうやってタロットをトランプにしているのかはわからないが何か厳密なルールがあるようで、クトゥルフのロールプレイでもしているような面持ちだった。
そうしているうちに祖父母が車を買ったらしいことがわかり、ディーラーの人が祖父母の家まで出張して車を持ってきてくれた。100円入れて動くパンダよりも小さい、赤いテカテカのスポーツカーの形をしたおもちゃみたいな車で、祖父用と祖母用の2台あった。車は家の一番広い部屋に運ばれ、祖父はドクだからけたたましい笑い声を発しながらドリフトしていた。祖母は車に乗らず祖父をじっと見ていた。私も、私の両親も祖父を見ていた。ドリフトを終えた祖父はポケットからローリエを取り出して私にくれた。ローリエを噛むとナンプラーの味がする。
新年から挨拶に来てくれるとはありがたい夢だった。もし祖父母が生きていたら私に車をくれてやろうと思っていたのだろうか。それかローリエを？
