wordpress

wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

抱え卵

主にシューティングゲームで、必殺技を出し惜しみしすぎてゲームオーバーになることを「抱えボム」という。たとえば画面中の敵と敵の弾丸を一掃できる必殺技を1ステージにつき3回まで使えるという条件があるとき、3回「しかない」という認識から追い込まれて苦しい局面におかれても必殺技を使うことなく、あっけなくやられてしまうというものだ。

1人で生活している大学生にインタビューしているニュースを見て、大学生が自炊のための食材として10個入りの卵パックを買っているのを見て非常に驚いた。ひとりで10個の卵を食べるということは、ほとんど毎日卵を1つは口にすることを意味している。私は4個入りのものしか購入したことがなく、勝手に「卵は4個しかない」と認識することで週に2個のみの卵を大事に食べていた。私の自炊は鍋や汁物や炒め物を4人前くらい一気に作ってそれを2、3日かけて食べる(1日2食)というもので、卵は一回の料理につき2個使用することになっている。卵は貴重なタンパク源であるのでカジュアルに目玉焼きや卵焼きなどの一食分にしかならない調理には使用されない。しかしニュースの大学生は昼飯に炊き込みごはんと目玉焼きをカジュアルに作っていて目が覚めるような思いがした。私は抱え卵をしていた。何人暮らしだろうと10個入りの卵を購入することは正義だった。

にんじん、ナスに関しても抱え込んでしまう傾向があるがあれは最初から3つか4つしか入っていないもの以外の選択肢がないんだから仕方がない。ただ、麻婆茄子のためにナスを大量に使ってしまったり、にんじんしりしりのためににんじん大量消費したりといったことはかなりもったいないと感じる。汁物にするとかさが増し、あまった汁をおかずにオートミールを食えば1食分にもなる。あまった汁には野菜から溶け出したビタミンが含まれているので栄養もあるはずだ。あとは豆腐を加えればタンパク質は確保できる。したがって卵を節約しつつ安く栄養を摂ることができるのだ。

しかし卵も野菜も節約する必要がない。酢豚を作っていると、惣菜を買ったほうが安いし簡単と思ってしまうのだが、自炊の価値はなんとなくちゃんとしてる感じを得られるところにある。実費のことは考えなくていい。汁物ばかり蓄積させるよりも、どんどん食材を使い、子どもが複数いる家庭の買い物と同じくらい買いだめして、カジュアルに自炊をする回数を増やすことで真人間度をあげることのほうが、正しさに近い行為である。