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wordpressの日記( https://yajiriinu.wordpress.com/ )の移植版

呼称の迷い

女オタクは一人称が安定しないというイメージが定着している。女オタクに限らず、ネットに親しんでいる人は基本的にストレートな一人称を用いることに抵抗を感じているということは、ままあることと思う。自分に対する呼び方の問題はデリケートだからそうなってもおかしくはない。

しかしここからはどのくらい共感されるかわからないが、私には「お」をつけるのがなんとなく恥ずかしい時期があった。「おにぎり」とか「おしり」とかもムリだった。そのもの自体に嫌悪感を抱いているわけではないのに変に「お」を取っていたから、なんとなく心苦しさはあった。やめたきっかけは、親の前でお金を「金」と呼んだときに怒られたこと。お金の守り神はお金を大事にする人のもとに集まるという話を貝原益軒だか吉田兼好だかもしているし(真偽不明)、「お」をつけていれば自然とそういったものたちとの縁が結ばれるということもあるのかもしれない。

このことを利用して、あらゆるものに敢えて「お」をつけて生活してみよう。「ごはん」はこれから「お米」と呼ぶし、自分に対しても「お時間」や「おかえり」と言うことにしよう。「ご縁」は「お縁」にしたほうが縁結びにいいかもしれない。頭痛がするときは「お頭」、腹痛防止に「お腹」、歳をとっても健康に歩けるようでありたいから「おみ足」という言い方も有効だ。馬鹿げた話に見えるが、言霊は存在する。なぜ存在するといえるのかは、夕焼けを綺麗と感じることに理由がないのと同じように説明することができない。人の名前を呼ぶことに呪術的な要素があることは確かなのだから、モノに対してもきっとそうだと言えるだろう。

「でん」て。